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☆ 財務諸表論 ☆
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第50回 匿名希望さんより 2002/11/25投稿 |
学校:大原 クラス:通信 年数:1年 |
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税理士試験は記憶力がすべてであるかのようなとらえ方をされることが良くありますが、財務諸表論の勉強に関しては私はその考え方に否定的です。必要最低限の暗記は確かに必要ですが、無理やり知識を詰め込むような勉強は財務諸表論の試験に限ってはそれほど必要ないのではないのでしょうか。
勉強の仕方というものは十人十色で、一概に「この方法がいい。」と言い切れるものはありませんが、これから合格を目指す方々が、変わった勉強方法もあるんだということを知っていただければと思い、私の合格までの道のりを紹介させていただきます。
1、計算
ご存知のとおり、財務諸表論の試験は計算問題と理論問題の両方で出題され、その合計点で合否が決定されます。従ってどちらか一方で高得点を出しても、もう片方で失敗してしまっては、合格を手にすることは出来ません。バランスのとれた勉強方法をとらなければならないことはいうまでもありません。
私の場合そういった考えのもと、計算問題は総合問題を月1題のペースでこなしました。ただし直前の1ヶ月は週1題のハイペースで問題演習にあたりました。
財務諸表論の勉強と並行して簿記論の学習もしていたため、計算演習はそちらでカバーしようと考え、やや少なめの練習量だったと思います。簿記論の問題演習では学習しきれない勘定科目の問題や財務諸表上の注記の問題などもありましたが、私の場合そういった勉強は、「計算」としての勉強ではなく「理論」の勉強の一環としてこなしていたように記憶しています。
基本的に仕訳さえ切れれば計算問題は得点できるので、「簿記論の勉強+試験前日の注記事項等の確認」で計算は合格点を確保できました。
2、理論
計算の学習とちがい、理論の学習は何度も壁にぶち当たりました。とくに勉強の方法がわからず、非常に苦労しました。
当初は専門学校のテキストを暗記するという学習スタイルを取りましたが、私の場合は記憶力がけた違いに悪く、ほとんどうまくいきませんでした。暗記が苦手な人に良くある例として、「覚えた先からすぐに忘れてしまう」という話がありますが、私の場合は覚える段階ですでにつまずいていたため、忘れるということすらありませんでした。
仕方がないので、会計学の基本書を読むと言う勉強スタイルに変更し、他の人が暗記にあてる時間を読書の時間に充てました。私が読んだ本の中で特にお勧めできるものは最後に一覧でまとめておきますが、何冊か本を読み重ねていくうちに、専門学校のテキストに書いてあることの意味が分かるようになり、無理やり暗記をしなくとも、自然と答案を書くことが出来るようになりました。
ただし私は通信教育で勉強をしていたため、特に答案を人に見せたことがなく、答案が書けるようになったと思っているのは自分一人だけなのかもしれません。
理論の学習に関してはほとんどを読書の時間に充て、最後にまとめとして専門学校のテキストを見るという方法を最後まで貫き、合格を勝ち取ったと思います。専門学校のテキストは良くできているもので、はじめて読んだときは全く意味がわかりませんでしたが、試験直前期には本当に良くまとまっている本だということを実感しました。
私は極端に暗記が苦手だったため、最初から覚えることをあきらめた勉強方法をとりましたが、そのため、通常の受験生に比べてかなり膨大な時間を理論の勉強に費やしました。ただしその分、どんな理論が出題されても自分が答えられない問題は他の受験生は絶対に答えられないだろう、という開き直りに近い自信を持つことが出来ました。
多科目同時合格を考えている方、暗記が得意な方には私の勉強方法はあまりおすすめできませんが、暗記よりも理解を重視した勉強というのは財務諸表論の合格には絶対に必要だと思います。ただし暗記が得意な方は、まず最初に専門学校のテキストを覚えてしまうというのも最短合格のための一つの手段かもしれません。特に大原のテキストは非常に良くできており、何冊かの本を読んでそれらをまとめたスマートな答案を書こうとすると、自然と大原のテキストにかなり近い形になっているというのが現状です。そのため、まず模範解答的な大原のテキストを暗記し、それから少しずつ体系的な理解を目指すというのが合格への近道なのではないかと思います。
最後に私が読んだ本の中で特にこれから合格を目指す方に紹介しておきたいものを示しておきます。
初級
・新井清光 「財務諸表論」(参考)
・飯野利夫 「財務諸表論」(参考)
・中村忠 「新訂現代会計学」(参考)
・広瀬義州 「財務会計」(参考)
・武田隆二 「財務諸表論」(参考)
・伊藤邦雄 「ゼミナール現代会計入門」(参考)
・斎藤静樹編「財務会計」(参考)
中級
・瀧田輝美 「財務諸表論(各論)(総論)」
・醍醐聡 「会計学講義」(参考)
・斎藤静樹 「企業会計とディスクロジャー」(参考)
・中村忠 「新版財務諸表論」
・井上良二 「財務諸表論」(参考)
・井上良二 「新財務諸表論」(参考)
・岡田衣里 「会計環境と日本の企業会計」(参考)
・田中健二 「時価会計入門」(参考)
上級
・古賀智敏 「価値創造の会計学」(参考)
・斎藤静樹編「21世紀の会計評価論」(参考)
・山枡忠恕 「近代会計理論」
・石川純治 「時価会計の基本問題」(参考)
・井上良二編「制度会計の論点」(参考)
・井上良二編「財務会計の進展」(参考)
お楽しみ
・田中弘 「時価主義を考える」(参考)
・田中弘 「会計学の座標軸」(参考)
・笠井昭次 「会計の論理」(参考)
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