法 人 税 の 基 礎 このページでは、ごく簡単に各計算項目のことを紹介しています。 |
【減価償却・資本的支出・修繕費】 | |
資産を事業供用した後にかかってくる経費には様々なものがあります。そういった経費のうちその資産の価値を高めるような支出については法人税法上は資本的支出として取り扱われます。資本的支出とされた金額は損金としては扱われずに結果的にその資産の取得価額を構成することとなります。なお、平成19年4月1日以後に取得した資産にかかる資本的支出は、原則として新しい資産の取得として計算します。 【資本的支出】 次のような支出が資本的支出として取り扱われます。 ・建物の避難階段の取付費用 ・用途変更のために直接要した費用 ・高性能部品への取り替えに要した支出で通常の取り替え費用の額を超える部分の金額 ・その他 【増築等の費用】 建物の増築、構築物の拡張、延長等のために支出した費用は、資本的支出としては取り扱われずに、新たな資産の取得があったものとして取り扱われます。 【修繕費】 事業供用されている資産について支出した修理改良費について、その資産の価値を高める部分の支出ではなく、通常の維持、管理をするための支出や原状回復費は修繕費として取り扱われ損金として認められます。具体的には次のような支出が該当します。 ・建物の移えい又は解体移築にかかる費用(一定のものを除く) ・機械装置の移設費用(集中生産のための移設費用を除く) ・土地の地盤沈下などによる原状回復のための地盛り費用 ・その他 【少額な資本的支出】 支出した金額が少額であるなど次の事例に該当する場合には修繕費として損金経理することができます。 ・一の修理改良等の費用が20万円未満である場合。 ・その修理改良等がおおむね3年以内の周期で行われることが明らかであると認められる場合。 【判断のつかない支出】(形式基準) 資本的支出に該当するのか、修繕費に該当するのかが明らかでない部分の金額について、次の事項のいずれかに該当する場合には修繕費として損金経理をすることができます。 ・その金額が60万円未満である場合。 ・その金額がその支出の対象となる固定資産の前期末取得価額のおおむね10%相当額以下である場合。 【継続適用を要件に振り分ける場合】 判断のつかない部分の金額について、法人が次の経理を継続して適用している場合はその経理が認められます。 (1)その金額の30%相当額 (2)その対象となる固定資産の前期末取得価額の10%相当額 (3)上記(1)と(2)のいずれか少ない方の金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理 【上記においても判断がつかない場合】(実質基準) 次のそれぞれの計算により、多い金額が資本支出として取り扱われ、残額が修繕費として取り扱われます。 ・支出する金額のうち、通常の維持管理をした場合に予測されるその資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額 ・支出する金額のうち、通常の維持管理をした場合に予測される支出時におけるその資産の価額を増加させる部分に対応する金額 【減価償却の計算・旧法】 減価償却資産について、資本的支出として損金の額に算入されなかった支出がある場合には次の計算により支出事業年度の償却限度額を計算します。 (1)従前部分の普通償却限度額 (2)資本的支出部分の当期の普通償却限度額 (3)(1)+(2)=当期の税務上償却限度額 【資本的支出を損金経理していた場合】 その資産が減価償却資産である場合には、損金経理した金額を会社上の減価償却費に含めて償却超過額の計算をします。 また、その資産が土地などの非減価償却資産なのであれば、その損金経理した金額は次の税務調整をしなければなりません。 土地計上もれ(加〜留) ※適切でない表現や間違いに気づいた場合その他の場合にはお断り無く修正いたします。 |
Copyright(C) 小谷羊太税理士事務所